- 著 者:玉城 夕紀
- 出版社:新潮文庫 nex
- 出版年:
『青の数学』,2016 年.
『青の数学 2』,2016 年.
栢山が雪の日に出会った女子高生 京 香凜 は,数学オリンピックを制した天才だった.香凜の「数学って,何?」という問いに,栢山は困惑をする.若き数学愛好者が集うネット上の決闘空間「E2」の全国トップである偕成高校の数学研究会「オイラー倶楽部」のメンバーと出会い,競う中で,栢山は香凜に対する答えを探していく.そのような中,「E2」では多くの参加者が競い合う“アリーナ”の開催が迫っていた。
と言う,ひたむきな想いと身体に燻る熱を数学へとぶつける少年少女たちを描く青春長編である.サッカーや野球などの運動部や吹奏楽や美術などの文化部を題材にした青春小説というものは数多く存在している.だったら,数学や物理を題材にした青春小説もあっていいのではないか,と思っていたところ,本書に出会った.登場する高校生たちの数学に打ち込むひたむきな姿は,サッカーや吹奏楽などに打ち込む高校生たちの姿に負けていない.数学で青春を謳歌する姿って想像していた以上にカッコイイと感じた.高校生のみなさんも主人公の栢山たちのように,数学に青春を捧げてみてはどうだろうか?
ぜひ読んでみてもらいたいと,願いつつ,おしまい.